7月28日 部分月食

 月は太陽の光に照らされて、私たちに美しい姿を見せてくれています。月は約1カ月かけて地球のまわりをまわっていますから、その見かけ上の位置の違いから太陽に照らされている面の形が変わるため、毎日異なる形をしているわけです。ところが、ときどき月と太陽のあいだに地球が入り込んで、月を照らしている太陽の光をさえぎってしまうときがあります。これが月食と呼ばれる現象です。つまり、月に落ちた地球の影を見ていることになるのです。

 地球の影に月が入るためには、太陽と地球と月が一直線に並ぶ必要があります。つまり、地球からの見かけ上はかならず満月の日に起こります。また、月食のある直前または直後の新月では日食も起こることがあります。今回の場合は直後の新月になる8月11日に、ヨーロッパから中近東地域で皆既日食が起こります。

 今回観られる月食は、月が地球の影をかすめていく現象で「部分月食」と呼ばれます。これに対し、月全体が地球の影の中にすっぽりとはいる現象は「皆既月食」と呼ばれ、皆既中の月はどす黒く濁った赤色に見えたりします。次に日本で観られる皆既月食は、来年2000年の7月16日になります。

 今回の月食は、月が昇って間も無い17:56の半影食からはじまります。この半影食は、地球の大気の部分によって月が若干暗くなって見える現象で、肉眼ではほとんどわかりません。19:22分に月が地球本体の影(本影食)に入り初め、20:33には全体の40%が影に隠されます。その後少しずつ元に戻り、21:45には再びもとの満月にもどります。夏の宵のうちの現象ですから、夕涼みにお月見をしながら家族みんなで楽しむことができますね。

 小さな望遠鏡でも十分観察できますから、写真やスケッチをとったりして、欠けていく月を観察してみると良いでしょう。普段の月が欠けていく様子とはまったく違う欠けかたや、欠けぎわのぼんやりしている部分ももしっかり記録しておきましょう。また、大きな望遠鏡では、満月の月の光はまぶしくて目を傷めてしまいますから、ムーングラスや望遠鏡の対物キャップについている口径絞りを利用して、月の光を暗くしてから観察するようにしてください。


東京での月食の様子

半影食のはじまり 17:56
本影食のはじまり(かけはじめ) 19:22
食の最大(40%) 20:33
本影食のおわり(かけおわり) 21:45
半影食のおわり 23:11

月食の経過時刻表 全国どこでも同じ時刻です

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