木星が衝
おひつじ座とうお座の間で衝となります


画像はNASAから
 10月24日、おひつじ座とうお座の境界線あたりで木星が光度マイナス2.9等で衝(しょう)となります。
 木星の衝とは太陽と地球と木星が一直線上に並んだ状態(太陽−地球−木星と並んだときのこと)、つまり地球から見て木星が太陽とは反対側に位置した状態のことで、木星と地球との距離がもっとも近づいた位置関係にあります。
 このとき、木星はほぼ一晩中観測することができるようになり、もっとも観望に適した時期といえます。
 10月中旬から11月中旬の午後9時ごろには、木星は南東の夜空高度約50°の高さまで上っていて、10月24日の衝の当日は満月のほとんど真横に位置しています。見た目には左どなりということになりますので、初めて木星を探される方はこの日に是非ともチャレンジして見てください。
 今回の衝では木星の明るさはなんとマイナス2.9等となりますので、おひつじ座やうお座など秋の地味でさびしい星空の中にあってはとても目立ち、木星の明るさばかりが目に付くでしょう。
 また見かけの大きさは50秒角もあり、初心者向けの6cmクラスの小口径望遠鏡でも木星の表面の縞模様までよく見えることでしょう。倍率は150倍から200倍ぐらいの倍率をかけて見るとかなり詳細部分まで見えてきます。木星は約10時間という短時間で自転していますので、3〜4時間ほど時間をおいて観測すると、縞模様の形が変わってとてもおもしろいでしょう。
 そして木星の4大衛星であるガリレオ衛星も見逃せません。ガリレオ衛星が木星のまわりを回るようすはおもしろく、木星表面に衛星の黒い影を落としたり、木星本体の向こう側に隠れたりなど、17世紀にガリレオがそれらの衛星を発見した時の気持ちになって観測すると興味深いでしょう。なお上の画像は木星表面に黒い影を落とす衛星イオが写っています。



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