「Pyxis」、それはギリシャ神話に語られているアルゴ船の大航海に使われ、天に上げられたと言われる「らしんばん座」の学名です。 これさえあれば、どんな星空でもけっして迷うことはありません。さあ。あなたもPyxisといっしょに星空を探検してみませんか?・・・

ノブオ電子(株)



Pyxis(ピクシス)は、現在お使いの天体望遠鏡の架台をそのまま活用し、超高速な天体自動導入を実現する画期的な天体自動導入コントローラーです。

 いままでにも、自動導入コントローラは何種類か発売されていました。しかし、架台のモータードライヴの駆動速度が限られているため、天体の導入までの所要時間がかかりすぎてしまい、あまり実用的ではありませんでした。
 Pyxisは、現在国内で発売されているほとんどの赤道儀に対応可能で、駆動用モーターを交換することなく、お使いのモータードライヴのコントローラーと交換してケーブルを接続するだけで、対恒星時100倍速以上の超高速で天体を自動的に導入します。従来のコントローラーで20分以上かかっていた子午線を越える天体導入も、およそ5分以内で完了し、効率良く観測することができるようになります。観望から写真・CCD撮影まで幅広い用途に、必ずお役にたてることでしょう。

☆メインボックス

(150×170×54mm 550g)

 Pyxisの中枢部分がここに納められています。高速CPUにより天体のその日・その時の位置を瞬時に計算し架台のモータードライヴを制御します。位置データは観測地の経緯度により絶対位置を計算するため、正確に天体を視野の中に導入します。もちろん天体が子午線のどちら側にいるのかを判断しますので、子午線を越る天体を指定したときは、赤道儀は反転して導入します。
 天体データは8つの惑星の他、メシエ天体やNGC天体など約1000を内蔵しています。もちろん座標を入力しての導入も可能です。


☆ハンドコントローラー

(77×101×20mm 120g)

 Pyxisのコントロールはすべてこのハンドコントローラーで行います。メインボックスにはスイッチ以外の操作部はありません。
 モーターの回転方向に合わせた4つのクロスキーと、種々の動作に使用する3つのボタンがあります。これらの組み合わせにより、様々な設定や命令を行います。


☆ディスプレイ

(95×77×20mm 150g)

 Pyxisの動作状況を表示します。夜の使用を考えてバックライト付きの液晶画面とし、バックライトの明るさは調節が可能です。
 ハンドコントローラーとディスプレイを分離しましたので、ディスプレイは接眼部の近くなど見やすい位置に固定することができます。エンコーダを使用した手動導入時などに大変便利です。



☆架台(モーター)への取付

 メインボックスと架台は機種ごとに専用ケーブルで接続します。タカハシEM-200等、純正のコントローラーが架台に内蔵されている場合、コントローラーとPyxisのインタフェースを交換して取り付けます。
 純正のコントローラーが架台と別になっている場合は、Pyxisのケーブルをコントローラーと差し替えて接続します。ビクセンGP/SP等モーターが独立している場合は、直接モーターにケーブルを接続します。


☆エンコーダ入力対応

 Pyxisは単体でも高速導入が可能ですが、エンコーダを使用すると手動で架台を動かして天体を導入することも可能になります。例えば、手動で目標の天体の近くまで移動してから、モーターを使って自動導入することも可能になり、より迅速に天体を導入できるようになります。

☆少ない消費電力

 現在発売されているほとんどの赤道儀のモータードライヴには、ステッピングモーターが使用されています。ステッピングモーターはその性質上、高速に回転すると電流が流れにくくなります。そのため、高速回転を前提にしたモーターの場合、低速回転時に多くの電流を消費してしまい、逆に低速回転を前提にしたモーターでは高速回転時にトルク不足が生じてしまいます。
 Pyxisでは、純正のモーターをそのまま使用して、回転数に応じて電流を制御することにより、恒星時駆動時0.4A・高速導入時1.0A(EM-200用)と非常に少ない消費電力を実現ながら十分なトルクを確保しています。ですから、今お使いのDC12Vの電源がそのまま使用できます。

☆パソコン連動機能

 Pyxisは単体でも自動導入機能を使用できますが、パソコンの自動導入機能と連動することにより、高度な利用も可能です。対応ソフトは、THE SKY・StellaNavigator for Windows・E.C.U・MegaStar Ver.2.0・VoyagerII/SkyPilot等、Meade LX-200に対応したソフトで使用できます。
 これらのソフトを利用すれば、画面上の天体をクリックするだけで、望遠鏡を目的の天体に向けることができます。公共天文台の望遠鏡などにも最適ですね。

☆ガイド撮影支援機能

 写真撮影時にオートガイダー(SBIG ST-4・Meade Pictor201等)を使用する場合には、専用の端子を標準装備していますので、ケーブルを接続するだけですぐ使用できます。
 また、架台のギアのバックラッシュをモーターの回転により補正する機能も内蔵しています。バックラッシュの量をあらかじめ設定することにより、モーターの回転が反転した場合にその量だけ16倍速でモーターを回転させて補正します。



◇こんな使い方ができます・・・

■ものぐさだけど彼女思いのAくん

 彼女と一緒に天体観望。ヘルクレス座のM13を見せてあげたいんだけど、空が明るくて星座がわからない。探しているうちに彼女があきちゃった・・・
 Pyxisの「Goto」コマンドを使えば、天体の名前をコントローラーから指定するだけで、あとはぜーんぶPyxisまかせ。2人であったかいコーヒーを飲んでいると、「ピーッ」と言って天体が入ったことを知らせてくれる。見えない星座を一生懸命探す必要もなくて便利だよね。

■せっかちでなんでもテキパキやるBさん

 最近天気が悪くてあんまり写真も撮ってない。文化祭に出す写真を大急ぎで撮らなくちゃ。
 こぎつね座のM27は、はくちょう座のアルビレオのすぐ近くにあるから、アルビレオを望遠鏡の視野にいれて、Pyxisの「Sync」コマンドで位置を教えてやる。そして、「Goto」コマンドでM27を指定すれば、あっというまにあれい状星雲が入ってくる。こりゃ便利!。バックラッシュ補正機能やオートガイダーの端子も付いているから、ガイド撮影もバッチリだ。

■きっちり物事を確かめながら追いかけるCさん

 昨日見つかった彗星の位置をパソコン通信で手に入れたんだ。でも、移動速度が早いらしいから見つかるかな・・・。
 パソコンにPyxisをつなげて彗星の軌道要素をパソコンに入力。今の位置はこのへんか・・・。画面をクリックするとPyxisが自動的に動き出した。目標の座標についたけど、彗星の姿はない。エンコーダをつけていれば鏡筒を手動で動かしても大丈夫。視界の広いアイピースに変えて周辺をさがしてみたら、いたいた!。けっこう明るいじゃない?。Pyxisの示している座標を記録して、さぁ軌道計算するぞ!。



天体自動導入コントローラー Pyxis 価格表

Pyxis本体(メインボックス・コントローラー・ディスプレイ)

ビクセン GP/SP用               \87,800
ビクセン アトラクス用               \99,800
タカハシ EM−200用(インタフェース付)    \99,800
タカハシ EM−10用(インタフェース付)     \94,800
タカハシ EM−500 Type2用               \170,000
タカハシ NJP(PD−6)用(32倍速)       \96,000
タカハシ NJP用(専用モーターセット)      \169,000
宇治天体精機 スカイマックスIV用(140倍速)     \148,000
ペンタックス MS−4用              \96,800
ロスマンディZ/GM−8用             \99,800
ケンコー NES用(70倍速)             \87,800
ミザール EX用                  \99,800
その他機種用もご相談に応じます。お問い合わせください。

      

ケーブル関係

パソコン接続ケーブル(IBM-PC用9ピン)       \5,500
パソコン接続ケーブル(PC9801用25ピン)      \5,500
パソコン接続ケーブル(Macintosh用)         \5,500
GPエンコーダ接続ケーブル(2本組)         \6,000
ロスマンディーZ/GM−8エンコーダ接続ケーブル    \6,000
SBIG ST-4接続ケーブル                \5,000
Meade Pictor201XT接続ケーブル            \5,500
SBIG ST-7 TICアダプタ接続ケーブル          \5,000
シガライターアタッチメント             \1,700
バッテリーアタッチメント(標準付属品)       \1,000
アストロスケール用エンコーダを接続する場合は、ケーブルがそのまま使用できます。

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Pyxisに関するQ&A集

Q.モータードライブを交換する必要はないのですか?

 Pyxisは、原則として純正のモーターを使って高速駆動をします。モーターの種類によりどうしても高速駆動ができなったり、消費電力が多くなったりするものもあるので、この場合は交換しないと対応できません。また、モーターがステッピングモーターで無いものは、モーターだけでの自動導入はできません。
 各機種用として発売されているPyxisは、モーターを交換したりすることなく、今お使いのコントローラーと交換してそのままをお使い頂けます。
 日本国内で発売されている通常の赤道儀は、ほとんどがステッピングモーターを使用しています。ですから、今後対応機種はどんどん増えていくことになるでしょう。

Q.極軸が合っていないといけないのでしょうか?

 Pyxisは赤道儀の機能をそのまま使用していますから、極軸合わせは必ず必要になります。極軸が正確に合っているほど、導入精度も高くなります。また、赤道儀自身の精度が低かったりガタが多い場合も、導入精度は低くなります。モーターのバックラッシュは、Pyxisの補正機能を使用すれば大丈夫です。

Q.エンコーダーは必ず必要ですか?

 Pyxisはエンコーダー入力にも対応していますが、モータードライブだけで自動導入ができます。ステッピングモーターは、そのステップ数で回転量を正確に保つことができます(だから赤道儀の恒星時駆動に使われているのです)。エンコーダを使用した自動導入より、モーターだけで導入した方が精度が高い場合もあります。これは、赤道儀とモーターの取付方法が、エンコーダの取付方法より確実なものが多いからです。

Q.赤緯微動が部分微動なのですが取り付けられますか?

 これは残念ながら取り付けできません。赤緯軸が部分微動の場合、モーターを取り付けたとしても自動導入は難しくなります。エンコーダ取付により道は開けますが、あまりおすすめする方法ではありません。

Q.モーターに負担はかからないの?

 いままで一定の速度でしか回っていなかったモーターを高速で回転するので、こういう心配が出るのはごもっともです。
いままでのコントローラーは、一定の電圧を常にモーターにかけて駆動していました。しかし、Pyxisではステッピングモーターの回転制御にマイコンを使用して、回転数に応じた電圧・電流をコントーロールしています。こうすることにより、基準以上の負担をモーターにかけることなく、スムーズな高速回転を実現しています。

Q.消費電力は増えないの?

 上記のようなマイコンによるコントロールにより、必要以上の電流をモーターに流すことがないので、消費電力は最低限に抑えられています。いままで使用していたバッテリー等をそのまま使用することが可能です。

Q.温度による変化やバランスが極端に狂っていると・・・

 極端に気温が低いときや、バランスが大きく崩れている状態で高速駆動すると、モーターの負担が大きくなり「脱調」を起こします。この状態では正確な自動導入はできません。しかし、Pyxisではこういう場合のために、モーターのトルクを上げるために最高回転数を落とす「Powerモード」を用意しています。

Q.多機能なのはいいけれど、操作はむずかしくないの?

 Pyxisは、種々の命令を対話式で指定します。「目標の選択→メシエ天体・NGC天体・惑星・・・・等の選択→番号や名称による選択→移動コマンド」というように、流れに沿ってPyxisの示すメッセージに合わせてキーから入力をすれば良いわけです。キー入力は赤道儀を動かすときに使うクロスキーを使用して行います。天体表などを別に用意しなくても、Pyxisに内蔵されたデータやメッセージだけでほとんどの動作をすることができます。


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