LX200GPS-25の全景 オプションのピギーバックカメラブラケット付 |
天体望遠鏡を使うときに、いちばん時間がかかるのが目的の天体を視野に入れる作業です。その時間を短縮することにより、より多くの天体を楽しむことができるようになります。 天体自動導入装置の開発にいち早く取りかかり、手軽に星を楽しめる天体自動導入望遠鏡を作っているアメリカMeade(ミード)社が1992年に送り出したLX200シリーズは、大口径ながらコンパクトで気軽に星空を楽しめる新型シュミットカセグレン光学系と、高速でしかも高精度の天体自動導入を可能にした画期的な天体望遠鏡として、世界的な大ヒット商品となりました。 Meadeの天体自動導入技術の開発はその後も絶え間なく繰り返され、LX200シリーズのバージョンアップをはじめ、持ち運びに便利な小型軽量で高い光学性能を持つETXシリーズでオプションとして発売された「オートスター」システムへの進化し、Meadeの汎用自動導入装置として、その後発売されたDSシリーズやETX-70AT・LX90-20などの望遠鏡に標準装備(一部はオプション)されるようになりました。 そして、初代LX200のリリースから10年の2002年春。その後継となる新シリーズLX200GPSシリーズが発売になりました。 |
対物側から見たLX200GPS-25 |
LX200GPSシリーズの新機軸 GPSレシーバは 耳軸の上についています |
●GPS搭載の最新自動導入システム LX200GPSシリーズで最も特徴的で新しい技術は、なんと言ってもGPSを使用した初期設定の簡略化です。これまでの自動導入は、望遠鏡を設置するたびにコンピュータに現在の星空の位置をユーザー自身が設定する必要がありました。それが、人工衛星を利用したGPS(Grobal Positioning System=全地球的測位システム)を利用することにより、初期設定を自動化することができ、さらに高い導入精度を実現できるようになりました。 これまでMeadeがリリースしてきたETXシリーズ・DSシリーズ・ETX-70ATやLX90-20で使われている「オートスター」をさらにバージョンアップした「オートスター2」と、このGPSの技術により、初めて望遠鏡を使う方でも、簡単に目標の天体を視野の中に入れることができます。 望遠鏡を組み立てて電源を入れると、オートスター2は望遠鏡が今自分が立っている位置と時間を、LX200GPSシリーズに搭載のGPSレシーバを使って自動的に設定します。そして、「Automatic」モードを選ぶと、三脚架台の傾斜や方角など、自動導入に必要な情報をひとりでに動いて収集し、いま見えている星から2つの星を自動的に探して視野に入れます。動いている様子は「ロボット」そのもの!。オートスター2が導いた星を視野の中心に入れてEnterキーを押せば、いま見えるすべての星の位置を自動的に計算してしまいます。あとは、内蔵された145,000個の天体データを呼び出してGotoキーを押すだけで、自動的に天体を視野に入れてくれます。 また、2004年春の発売モデルから、新機能SMTも追加されました。架台のギアやモーターの精度を自動的に補償することにより、従来より高い追尾・導入精度を実現しています。 もちろん、パソコンとの連動もOK!。パソコンの画面上の天体をクリックするだけで、その天体を視野の中に導入することができます。また、インターネットから必要なソフトウェアをダウンロードすることにより、将来データベースやファームウェアをバージョンアップすることも可能になっています。 導入精度はプレシジョン(高精度)モードで角度の2分。と、冷却CCDなどの狭い視野でも十分な精度を誇ります。 なお、オートスター2の表示は現在英語ですが、2002年夏をメドに日本語版ファームウェアも登場予定です。 |
LX200GPSシリーズに標準装備されている オートスター2 フォークアームに取りつけられるホルダー付 |
接眼部 電動マイクロフォーカサーが標準装備 |
2インチサイズアイピースも使用可能な 電動マイクロフォーカサー 取り外しも可能 オートスター2からコントロールできます |
ミラーを任意の位置で固定できる フォーカスロックノブ |
●ゼロ・イメージシフトシステム シュミットカセグレン望遠鏡での天体写真撮影では、これまで「ミラーシフト」と呼ばれる現象により、撮影者をしばしば悩ませてきました。カセグレン系望遠鏡では、ピント合わせのときに主鏡をネジで移動してピントを合せているため、ネジを巻く方向が変わると主鏡の向く方向が微妙にずれてしまい、視野のなかの天体が少し動いてしまう現象です。 これは、拡大率の大きな冷却CCDでの撮影や、長時間露出をする天体写真撮影では大きな問題となります。これを防ぐため、LX200GPSシリーズでは、「ゼロ・イメージシフトシステム」を採用。物理的に主鏡を固定することにより、撮影中に主鏡が動いてしまうことを防ぐ「フォーカスロック」と、微妙なピント合わせを望遠鏡に触れることなく行うことができる「電動マイクロフォーカサー」を標準で装備しています。電動マイクロフォーカサーはオートスター2のコントローラーから制御でき、パソコンとの接続により完全な遠隔操作も可能になります。冷却CCDユーザーには大変便利なシステムです。 |
●ケーブルレス・省電力設計 これまでこのクラスの天体自動導入望遠鏡は、家庭用電源か携帯用バッテリが必要でしたが、LX200GPSシリーズでは、25cmモデルとしてははじめての乾電池駆動を実現しました(20cmモデルはLX90-20で実現)。フォークマウント内に単2アルカリ電池8本を収納し、外部電源を必要としません。また、各モーターなどのケーブルも架台の中に全て収めているため、コントロールパネルに接続するケーブルも、最低オートスター2のハンドコントローラーの1本だけでOKです。 ●簡単組立 他社の赤道儀式の天体望遠鏡は、設置・組立に非常に時間を使いますが、このLX200GPSシリーズは、三脚を広げてその上に鏡筒と架台がセットになったユニットを載せるだけ。ですから、わずか2分足らずでセッティングが完了します。 ●堅牢・高精度 LX200GPSは、普及版のLX90-20に比べて大きな径のウォームギアとベアリングを採用。写真やCCDでの撮影など、高い精度が求められる場合でも、滑らかで正確な動作です。また、ギアのかみ合わせによって周期的に起こるピリオディックモーションの補正も、オートスター2に内蔵された"Smart Drive"機能で自動的に補正します。 また、フォークアームやメインフレームは、アルミダイキャスト製でとてもしっかりしていますから、がたつきやぐらつきはまったくありません。三脚部分は他メーカーにもOEMしているほど定評のある三脚が付属します。鏡筒架台をしっかり固定でき、またひらき止めでがたつきを無くしているため、非常に安定しています。 |
電源は単2アルカリ乾電池8本 フォークアーム部に収納 シンプルなコントロールパネル オートスター2と電動マイクロフォーカサーを接続 パソコンやオートガイダーも接続可能 |
LX90-20とLX200GPS-25の比較 ↑
赤道儀ウェッジを併用します |
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●オプションで様々な用途に LX200GPSシリーズには、従来のLX200シリーズ用各種オプションがそのまま使用できます。月や惑星の写真を撮影するために、カメラやデジカメを取り付けるアダプタや、街のあかりなどで空が明るい場所でも暗い星雲を見やすくするフィルターなど、各種のオプションが使用できます。目的に応じて必要なオプションを追加することにより、より楽しく天体観測をすることができるようになります。 ●安心の国内保証 当社にて販売しているLX200GPSシリーズは、日本国内の正規輸入代理店による製品検査を受けた製品で、1年間のメーカー保証がつきますので安心してお使いいただけます。
標準付属品 オプション
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