当社オリジナル双眼鏡シリーズの中で、2006年に発売したFZ-RFシリーズは、「網膜焦点」という新しい発想により、広い見かけ視界ながら周囲まではっきりとした像を結ぶ「RFアイピース」をはじめて採用し、多くの方に高い評価をいただいてきました。
その後発売された当社オリジナル双眼鏡でも、見かけ視界50度を越える各機種でRFアイピースを採用してきましたが、その天体望遠鏡版が、今回リリースするRF2 30mmアイピースです。
●1本で星雲星団から惑星まで・・・
当社のオンラインショッピングのおすすめラインナップでは、大口径ながらコンパクトで持ち運びに便利なカセグレン系望遠鏡を多くラインナップしています。しかし、カセグレン系望遠鏡は構造上焦点距離が長くなってしまいます。このため、どうしても広い視野が得にくく、月の全景や大きく広がった星雲星団などを見るには、高価なアイピースを別に用意する必要がありました。
このため、当社おすすめラインナップでは、2インチサイズで焦点距離の長いアイピースを付属し、淡く広がった星雲星団も十分に楽しんでいただけるセットにしています。
しかし、焦点距離が長くなるかわりに、倍率も低くなってしまい、惑星や月面を拡大して見たいときなどは、アイピースの交換をしなければなりません。それ自体はさほど不自由ではありませんが、倍率を変えてしまうと、絶対的な天体の大きさの違いがわかりにくくなってしまいます。
倍率を犠牲にしないで視野を広く取るには、見かけ視界を広くしなければならない。しかし、他社から発売されている広視界アイピースは、見かけ視界こそ広いものの、レンズが多く値段も高価になってしまいます。現在のレンズの技術でなんとかならないものか・・・。1本のアイピースでほぼすべての天体を見ることができれば、アイピース交換の手間も省けるし、なによりも天体の大きさが理解しやすい。RFアイピースの発想の原点は、ここからはじまりました。
●Rich Field=広い視界とRetina Focus=網膜焦点
RF2とは、Rich Field & Retina Focusの略。双眼鏡用として開発したRFアイピースを、天体望遠鏡用にチューンナップしたアイピースです。超広角80度の見かけ視界ながら、アイピースをまっすぐ覗いたときに視野の周辺までシャープな像を結ぶように緻密に設計しました。視野いっぱいに広がる月面や、砂粒のような散開星団は、宇宙を覗き見している気分になります。
※RFアイピースは、まっすぐにアイピースを覗いた場合に、視野の周辺までピントが合う状態に設計されています。故意に視野の周辺部を見るように眼球を動かした場合、全体の像が乱れます。
●軽量設計
他社の広視界アイピースは、直径の異なる多数のレンズを組み合わせて広視界を実現しているため、どうしても筺体が大きく重くなってしまい、部品点数も多くなるため、コスト的にも高くなってしまいます。
RF2 30mmアイピースは、非球面レンズとEDガラスを組み合わせ、使用するレンズを5枚と最小限に抑え、さらにレンズの直径をできる限り統一することで、小型・軽量化を実現しています。形状は直径60mm・長さ110mm(差込部35mmを含む)のスマートな筒状で、重量は495gと、他社の同クラスのアイピースの約半分に抑えられています。
●コリメート撮影用レンズとしても最適
RFアイピースは、目で見ることを主目的として設計していますが、二次的なメリットとして、コンパクトデジタルカメラを使用したコリメート撮影法(アイピースに直接カメラレンズを取り付けて撮影する方法)でも、広い視野を得ることができるようになります。また、コリメート法でカメラが取り付けしやすいよう、見口ゴムを取り外すと、49mmフィルター用ネジになっています。市販のフィルター用ステップアップリングと併用して、確実にカメラと接続することができます。
●F値の明るい鏡筒用のBRIレンズ
網膜焦点の設計は、使用する望遠鏡の口径比によって違っています。、RF2 30mmアイピースの場合は、F5.5以上の望遠鏡で最高のパフォーマンスを得ることができます。しかし、写真撮影用や大口径ドブソニアン反射など、より口径比(F値)が明るい望遠鏡をお持ちの方が多いのも事実です。そこで、F4〜F5程度の望遠鏡と組み合わせて使用すると最適な像になるように設計した、BRIレンズをオプションとして用意しました。この場合、アイピースの焦点距離は22mm相当になります。
宇宙の広がりを感じることができる広視界アイピースの世界にあなたも飛び込んでみませんか?。きっと、いままでとは違った星空が見えることでしょう。
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