カラル・アルト天文台撮影のシュメーカー・レヴィ第9彗星


 夫婦でたくさんの彗星や小惑星を発見し、木星衝突で有名になったシュメーカー・レヴィ第9彗星の発見者でもある、ユージン・シュメーカー(Eugene Shoemaker)氏が、7/18、オーストラリアで車の運転中に交通事故に遭い、亡くなりました。69歳でした。Eugene氏といっしょに研究に携わったキャロリン(Carolyn)夫人も同乗しており、肋骨を折る重傷を負いましたが、快方に向かっているということです。夫妻は、事故の6日前からオーストラリア大陸の隕石孔の調査のために現地に滞在していており、その移動の最中に事故にあってしまったということです。
 1993年3月に、夫妻と共にチームを組んで観測していたD.レヴィ氏が発見した彗星は、彗星らしくない横に長く広がった形をしており、その後の観測からこの彗星が木星の重力に引かれてなんども木星に接近していたことがわかり、その翌年の1994年7月に木星に衝突し、私達に鮮烈な印象を与えたことは記憶に新しいところです。この他にも、800以上の小惑星の発見や、地球に異常接近する天体の研究など、私達に与えた功績は数知れません。
 「シューメーカー」の名前は、発見したたくさんの周期彗星とともに永遠に残ることでしょう。そしてまた、彼の功績は、これからの天文学に大きく貢献することでしょう。故人の冥福を心からお祈りすると同時に、キャロリン夫人の早期のご回復を願ってやみません。

(News Source from Sky & Telescope)


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