宵の西の空で、エンケ彗星が6等程度で見えています。エンケ彗星は、1786年に発見されて以来、これまでに発見された彗星の中で継続して回帰が観測されているものとしては最も短い3.3年周期で太陽に回帰する彗星で、今年12月までに59回の回帰が観測されています。
地球と彗星軌道の位置関係により、冬に回帰する時(約10年おき)に良い条件で彗星を見ることができ、今回はその年にあたります。明るさは現在5〜6等程度と小型の双眼鏡でも見ることができるほど明るくなっています。是非皆さんも観測してみてください。
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Encke 彗星(2P) 軌道要素
元期 = 2003/12/27.0 (TT)
近日点通過 = 2003/12/29.8768 (TT)
近日点距離 = 0.338461 AU
近日点引数 = 186.4985
昇交点黄経 = 334.5876 (2000.0)
軌道傾斜角 = 11.7696
離心率 = 0.847339
周期 = 3.30年
(Ephemeris from MPC 40671)
■彗星のファインディングチャート
●12月8日〜12月12日の17:00の西の空
彗星は現在、太陽が沈んだ直後の西の空を移動しています。どの星図もクリックするとプリントアウトできる大きさになります。図は真西を向いて地平線からまっすぐに見上げた状態でそのまま使用できます。
太陽が沈んでから彗星が沈むまでの時間は短いため、日が沈んだらなるべく早く彗星の位置を確認するようにしましょう。まわりのこと座・わし座・へびつかい座の星の位置関係を参考に探してみてください。現在の地球と彗星との距離は約0.3AU・明るさは5〜6等と小型の双眼鏡で十分見られる明るさですが、まだ夕焼けが残る低空のため、探すのはちょっと難しいかも知れません。
●彗星観測に最適な7倍50mm双眼鏡はこちらのページをご覧ください。
彗星の座標(日本時間17時の位置) |
日付 |
赤経(R.A.) |
赤緯(Dec.) |
12/8 |
17h40m.8 |
-04゜17' |
12/9 |
17h36m.0 |
-05゜29' |
12/10 |
17h31m.5 |
-06゜39' |
12/11 |
17h27m.1 |
-07゜47' |
12/12 |
17h23m.0 |
-08゜53' |
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天体自動導入望遠鏡をお使いの方は、左の表から、各日付の座標を入力してください。時間による差はほとんど考慮しなくてもOKです。もし視野をのぞいて彗星が見つからない場合は、その周囲を探してみてください。
●Meade オートスターの場合
テンタイ→ユーザーテンタイ→ツイカで右の座標を入力してから、その追加したデータを「センタク」して自動導入
※タイヨウケイ→スイセイ(コメット)で軌道要素を入力する方法では、正確な位置を計算できません。上の方法でその日ごとに入力してください。
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