オーストラリアのサイディングスプリング天文台のロバート マクノート(Robert McNaught)氏が、昨年9月に発見した彗星 (C/2009R1)が、4月に入ってから当初の予報より明るく見えているという情報が、各国のアマチュア天文家から寄せられています。彗星は、これから地球や太陽に接近するため、これまで以上に明るくなることが予想され、6月中旬〜下旬には3〜4等と、肉眼でも見える程度まで明るくなることが期待されています。
右の写真は、オーストリア中部シュティクセンドルフのアマチュア天文家ミヒャエル イェーガー(Michael Ja:ger)氏が、5月13日に20cmF2.8シュミットニュートン式望遠鏡と冷却CCDカメラで撮影したマクノート彗星(C/2009R1)です(イェーガー氏に掲載承認済み)。
彗星は現在地球から約1.63AU付近にいることを考えると、それほど大きな彗星ではないようですが、地球に最も近づく6月16日には約1.13AUまで接近し、その後7月2日に太陽に最も近づくことになります。地球再接近の6月16日前後が、月明の影響も無く、最も観望に適した時期になるでしょう。梅雨空が恨めしい日々が続きそうですね。
(5月15日 17:00)
他の観測者やこのページのかんたんアンケートから、皆さんからの観測報告を見ながら、なかなか自分自身が見る機会が無いまま梅雨に突入してしまいましたが、ようやく昨晩ギリギリの晴れ間に見に行くことができました。
常時うす雲があり、透明度もいまいちの空ではありましたが、地平線から昇って比較的早い時間に彗星を見つけることができました。望遠鏡の調整が間に合わず、あまりシャープな像ではありませんが、一応写真に収めてみました。
毎日どんどん高度は低くなりますが、あと数日は見ることができるはずです。是非皆さんも梅雨の晴れ間を見つけて探してみてください!。
写真データ : 6月17日 3:10〜15 80mmF5.5屈折望遠鏡直焦点 30秒露出×5枚コンポジット
(6月17日 21:30)
■彗星のみつけかた
●6月15日〜22日の明け方3時ごろの東の空
このファインディングチャートは東京での明け方3時ごろの東の空の図です。大阪では約20分後・福岡では約40分後がほぼ同じ空になります。下に日付のある水色の●が、その日の彗星の位置を示します。マークは2日おきについていますので、その間の日に見るときは、マークの中間付近を探してください。
彗星は明け方太陽が昇る前の東の空に見えています。時間とともに彗星の高度は高くなりますが、朝焼けが始まってしまうと彗星は見えなくなってしまいますから、なるべく東の空が地平線近くてまで開けた場所で観測し、できるだけ早い時間に彗星を見つけると良いでしょう。特に6月16日の地球再接近以後は、急速に彗星が太陽に近づいていくため、彗星が地平線から昇ってきてから朝焼けが始まるまでのわずかな時間に見つける必要があります。
彗星は6月16日に最も地球に接近し、その後は太陽にさらに近づいて行きます、各国の観測者からの報告では、倍率の高い(焦点距離の長い)望遠鏡では6〜7等・双眼鏡など倍率の低い(焦点距離の短い)望遠鏡では5〜6等級で観測されており、双眼鏡や望遠鏡を使えば十分見つけられると思います。上記のチャートを参考に、ペルセウス座やぎょしゃ座の明るい星を目印にして探してみてください。
彗星を見つけるときは、なるべく低い倍率で見たほうが、淡く広がった彗星の姿を鮮明に見ることができます。7倍50mmや8倍56mmの双眼鏡など、なるべく視野の広く(倍率の低く)口径の大きな双眼鏡や、2インチ広視界アイピースや焦点距離の長いアイピースを使って倍率を低くした望遠鏡で探してください。
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日付 |
赤経(R.A.) |
赤緯(Dec.) |
6/15 |
03h40m.6 |
+47゜21' |
6/16 |
03h54m.3 |
+47゜46' |
6/17 |
04h08m.3 |
+48゜04' |
6/18 |
04h22m.6 |
+48゜14' |
6/19 |
04h37m.0 |
+48゜15' |
6/20 |
04h51m.6 |
+48゜08' |
6/21 |
05h05m.7 |
+47゜53' |
6/22 |
05h19m.7 |
+45゜29' |
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天体自動導入望遠鏡をお使いの方は、左の表から、各日付の座標を入力してください。
●Meade オートスターの場合
テンタイ→ユーザーテンタイ→ツイカで右の座標を入力してから、その追加したデータを「センタク」して自動導入
※#497オートスターVer.2.3以前および#494オートスターVer.1.1以前のモデルでは、タイヨウケイ→スイセイ(コメット)で軌道要素を入力する方法では、正確な位置を計算できません。上の方法でその日ごとに入力してください。
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マクノート 彗星 (C/2009R1) 軌道要素
元期 = 2010/06/13.0(TT) = JDT 2455360.5
近日点通過 = 2010/07/02.6535 (TT)
近日点距離 = 0.405011 AU
近日点引数 = 130.7004
昇交点黄経 = 322.6291 (2000.0)
軌道傾斜角 = 77.0070
離心率 = 1.000327
(Ephemeris from MPC 67148)
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