10月8日の明け方の空で見られました!
星食のお話をする前に、天文現象で言う「食」についてお話しておきましょう。文字通り、天体が「食べられる」現象のことをいいます。もちろん、誰かが星をパクパク食べてしまうわけではないので、何らかの自然現象が起きるわけです。 有名なところでは、「日食」や「月食」があります。日食は、地球からの見かけ上太陽の方向に月が入り込んでくることによって、太陽が月に隠される現象ですね。月食は、太陽の光によって照らされている月が、地球の陰の中に入ることによって見えなくなる現象です。これらの「食」は、宇宙空間での位置関係が相互に直線上に並ぶことによって、遠方にある天体が隠されることを差しています。今年は先日7月5日に部分月食が日本で見られました。 |
20cmシュミットカセグレン望遠鏡で撮影した土星 |
一方、「星食」と呼ばれる現象があります。別名「掩蔽」(えんぺい)とも呼ばれるこの現象は、日食と同じ仕組みで月がその向こう側にある星を隠す現象を言います。もっと広い意味では、月以外の太陽系の天体にも適応されます。ですから、惑星や小惑星などにより、それより遠くにある星を隠してしまう「掩蔽」もあるわけですね。 月は地球のまわりを約一カ月かけて公転しています。それは地球上から見ると、天球上を少しずつ移動しているように見えることになります。ですから、その日・その時間で月の見える場所は少しずつ違っているわけです。 天球上を移動している月と見かけ上同じ位置に他の星が重なる場合に、月による「星食」がおきます。月がその星の前を通過することにより、星が隠される現象です。月のどの場所に隠されるかにもよりますが、長くて1時間くらい隠れている時間があります。 |
一方、土星は約30年で太陽のまわりを一周する惑星です。望遠鏡で見ると上の写真のようなドーナツ状の輪が見られることで有名です。今年はおうし座付近にいて、7月中旬から明け方の東の空で見ることができるようになってきました。この土星と月が、それぞれ天球上を動いていく中で偶然重なり合うことによって、「土星食」が起こります。日本では、前回は1997年10月16日に全国的に良い条件で見ることができました。 |
この他、能登半島の輪島市〜羽咋市・氷見市付近と、島根県の隠岐もこの境界線の中に入ります |
左の画像は新潟市での土星食の様子をシミュレーションしたものです。この他、会津若松での様子と、東京での様子もこちらからご覧いただくことができます。 |
星食をはじめとした「食」は、とてもライヴ感覚のある天文現象なので、一度見てみるととても感動するものです。皆さんも是非ご自分の目で空の上で繰り広げられる天体ショーを確かめて見てください!。 |
(C) Copyright 2001 Stargaze All rights Reserved