私が星に興味を初めて持ったのは、小学４年の冬でした。誕生日プレゼントにもらった１６×５０mmの双眼鏡で見た「すばる」は、たくさんの星が集まって美しく輝いていました。オリオン座の三ツ星の下に向けると、何やら雲のようなものが見える。図書館で調べてみたら、それは「オリオン大星雲」という星雲だった・・・。 　こうして天文少年になった私は、自分の小遣いを貯めて買うことができる望遠鏡を一生懸命探しました。図書館でどんな望遠鏡が自分の目的に合うのか調べ、望遠鏡メーカーからカタログを取り寄せて、そして出した結論は、赤道儀式で、将来はモータードライブが取りつけられ、写真撮影もできるような望遠鏡でした。しかし、そんな高価な物は当時の小遣いでは買うことはできませんでした・・・。

　いまから二十数年前、その当時に私が思っていた気持ち。もっと手軽に自分の希望にあった望遠鏡は無いものか・・・。今の子供たちにそんな望遠鏡を届けることはできないものか。そんな想いから実現したのが、この60mm屈折赤道儀「MoonSeeker」です。

　安易に価格を安くすることを考えるのではなく、必要な性能は守りながら、いかに末長く星空を楽しんでもらうことができるかを考え、天体望遠鏡の性能を比較する上で最も重要とされる十分な堅牢性と将来のステップアップが可能な架台と、最初の１台として使いやすい大きさの60mm屈折望遠鏡との組み合わせに行き着きました。

●軽量で扱いやすい鏡筒部
　鏡筒は、口径60mm・焦点距離800mmで無理のない設計の口径比F13.3のアクロマートレンズを使用。筒は軽量なプラスチック製で、ネジ２本で女の子でも簡単に取付ができる物を選びました。接眼部は価格を抑えるため24.5mmサイズ専用の細いドロチューブを使用していますが、接眼レンズにはNR20mm（40倍）とSR5mm(160倍)のラムスデンタイプを付属し、天頂プリズムももちろん付いています。ディスカウントショップなどで売られている安価な製品は、接眼レンズにおもちゃのような物が使用されていたり、天頂プリズムではなく天頂ミラーを使用しているものがほとんどで、せっかくの対物レンズの性能をまったく生かせないものが数多くあるのです。
　接眼レンズのうち、NR20mmは、月全体を見るのに最適な倍率です。また、すばる（プレアデス星団）やオリオン大星雲・ペルセウス座の二重星団などを見るのに最適な視野の広さになります。また、SR5mmは、月面のクレーターの拡大や、木星・土星などの惑星を見るときに使用します。決して不必要に倍率を上げることなく、対物レンズの持っている性能を最も良く引き出せる倍率に設定しています。バローレンズ等を使用して無理に倍率を高くして300倍・400倍などと倍率ばかりを売り物にしている望遠鏡は、はっきり言って使い物にならないと考えても良いでしょう。

●堅牢でしっかりした作りの架台
　そして、このセットで最もこだわったのが架台です。経緯台式ではなく、将来にわたって末長く使っていただける赤道儀式を選びました。天体は地球の自転とともに見かけ上天球を少しずつ移動してゆきます。経緯台式では、それを追いかけるのに２つのハンドルを同時に操作しなければいけませんが、赤道儀式では１つのハンドルを回すだけで簡単に追尾することができます。また、最初は「見るだけ」で満足していても、いずれはその姿を写真に収めたくなるでしょう。その時に、しっかりした赤道儀式を求めておけば、ちょっとオプションを追加するだけで天体写真用赤道儀として使用することができるようになります。
　赤道儀はミザールSP式として定評のある、150mmクラスの反射望遠鏡まで搭載できる作りのしっかりしたものです。将来大きな望遠鏡が欲しくなったときも、最低限のオプションを追加するだけでステップアップできるようになります。
　三脚も太めでしっかりした作りの木製三脚を採用しています。このクラスに従来付属していたラワン材の細いものではなく、合材を使用した狂いの少ないものを付属しています。

●純国産で安心のサポート
　日本国内の光学製品メーカーとして歴史のあるミザールが製造し厳しい製品検査を受けた製品で、メーカー５年保証がつきますので、末長く安心して御使いいただけます。

標準付属品　
　ファインダー5×20　アイピース(SR5mm・NR20mm)　天頂プリズム

オプション　
　極軸望遠鏡
　（正確に極軸を合せる場合に使用　写真撮影時は必須）
　　　価格 : \4,000

　モータードライブ
　（日周運動で移動する天体を自動的に追尾します　写真撮影用にも使用）
　　　価格 : \26,000

　カメラアダプタ［下記カメラマウントと併用］
　（鏡筒の接眼部に35mm版一眼レフカメラを取りつけるアダプタ　月面撮影などができます）
　　　価格 : \7,000

　カメラマウント［各社用］
　　　価格 : \1,500

　デジカメアダプタ［各社汎用］
　（接眼レンズと併用してデジカメを接眼部に取りつけるアダプタ　月面撮影などができます）
　　　価格 : \13,500

　カメラ同架セット［アクセサリーバンド＋カメラ雲台］
　（鏡筒の上部にカメラを同架して、カメラレンズで星野写真を撮影する時に使用）
　　　価格 : \6,500

　マルチサポート板
　（赤道儀に他の鏡筒や直接カメラを取りつけるためのプレート）
　　　価格 : \5,000

　追加バランスウェイト
　（他の望遠鏡やカメラなどを載せる場合に追加するバランスウェイト
　　カメラ１台の同架程度であれば標準セットのみでＯＫです）
　　　価格 : 1.2kg　\2,500
　　　　　　3kg　\4,000